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バイキング料理 [懐かしい物]

ヴァイキングというのは、10世紀ころ北欧を拠点にしてヨーロッパ沿岸を荒らしまわった海賊のことだ。日本語でバイキングと言えば、食べ放題外食の事だった。「だった」というのは、どうも最近言葉が変わって来ている様子だからだ。

そもそも、なんでバイキングが食べ放題のことになったのか?発祥は帝国ホテルらしい。スエーデンの伝統的な食事形式であるスモーガスボードを取り入れて、各自が大盛りのテーブルから取り皿で料理を取ってくるようなサービスをバイキングと名づけたようだ。スエーデンは北欧の国であり、ヴァイキングのイメージと結びつけて表現したのだ。

北欧料理が中心のはずだが、バイキングと言う言葉が独り歩きして、イタリアンバイキングとか中華バイキングなど、地理的には不可能な名称が使われ、果ては寿司バイキングまで現われた。子ども達を引き連れ、焼肉バイキングに乗り込んで、たらふく食ったことも思い出となった。今は、そんなに食べられないから、行っても不充足感がつのるだけだから行かない。

アメリカでは、当然、帝国ホテルの命名を引き継ぐわけもなく、バフェと言われている。"All you can eat"レストランという直接表現もある。日本の近年の風潮はアメリカ語に習うことで、例えば、ストックと言っていたスキーの杖もポールというようになってきている。バイキングもバフェに取って変わられようとしている。

しかしながら、バフェというのは、日本では違う意味で使われてきた。ビュッフェと言われているが、軽便なレストランのことだ。アメリカではバフェスタイルの軽便なレストランがあったので、日本ではこの意味を取ったのだろう。バフェとビュッフェは別の言葉になっている。

では、バイキングと言う言葉が無くなるかというと、そうではない。スーパーマーケットに「お魚バイキング」などと表示されている。どうもこれは、量り売りのことらしい。大盛りのところから、各自がプラスティックパックに取り分けるというのがバイキング形式だと言う事だろう。定額取り放題ではない。

量り売りがバイキングなら、そのうち「ガソリンバイキング」なども現われるかもしれない。なに、普通のガソリン販売のことだ。いやいや、それどころではない。労働バイキングなども現われるかもしれない。現に、残業代ゼロ法案が国会に出ているくらいだ。
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