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スペインと地中海(6) 飛行機での酸素 [スペインと地中海]

酸素を抱えて飛行機に乗る方法は3つある。①酸素ボンベを持ち込む②POCを持ち込む③航空会社に酸素を頼む、である。日本国内のときは①が手軽だが。そうはいっても、診断書の提出を含む手続きがいる。海外の時は大量のボンベというわけには行かないので、②か③になる。

UAなんかだと②が簡便で、一度「使用証明書」を発行してもらえば、48時間前にPOCの持込を伝えるだけでよい。問題は電池で、長時間のフライトでは大量の電池が必要で重い。使えるPOCの型式は決まっており、おかしな事に日本の航空会社でも日本製のPOCは許可対象外だ。③が妥当な選択ではあるが、外国航空会社ではPOCが普及してきたので、このサービスを止めた所が多い。日本の航空会社は③で対応してくれるが、ボンベ1本100ドルくらいの有料サービスになってしまう。

今回、エミレーツで行くことにしたのは、酸素がタダという事が大きいのだが、実はそれ以上のことがある。JALやANAでバルセロナに行くのは不可能なのだ。日本の航空会社は、フランクフルトまで飛んで、そこから先の乗り継ぎはコードシェアになっていて、実際は他社の飛行機を使う。酸素については、各社ポリシーが違うからコードシェア便については関知できませんと言って逃げてしまう。それでは、ということでコードシェア先の航空会社に話を持って行くと、うちで買った切符ではないので、対応はしませんという返答が返ってくる。

エミレーツはバルセロナまで直接乗り入れしていて、しかも酸素はタダ。アラブの王様は太っ腹だ。実はこれも「タダらしい」と言うことしかわからなかった。航空会社は、まず、航空券を予約してからでないと、一切の話を受け付けない。このガードは固くて、何を聞いても具体的な答えは、ます返ってこない。「酸素を供給する場合もあります」では困るのだが、それしか答えない。あらかじめ下調べをして、あたりをつけて予約するしかない。これは一種の賭けである。

今回も、ネットで予約を入れて、次に酸素を申し込む窓口を捜すことから始めなければならなかった。電話をかけても、番号を押してくださいばかりで、なかなか担当者と話が出来ない。やっと「航空券を購入する」のボタンで会話できるようになった。もう予約は入れてあるのだが、と言うと電話を切られそうになったが、なんとか話をつないで、酸素の手配をお願いした。答えは、「わからないから本社に問い合わせてくれ」だった。しかし、なんとか本社窓口のメールアドレスを聞き出すことは出来た。webに載っているメールアドレスは自動応答で、役に立たない。

連絡を取ると、3ページにわたる英文の書式を送ってくる。これは、webからもダウンロードできるMEDIFと呼ばれる書類だ。これを出発の2週間前から、2日前までの間にお医者さんに書いてもらわねばならない。サインと日付がいるのだ。お医者さんは必ずしも英文を書くのが得意でないので、こちらであらかじめタイプしておいて、サインだけしてもらう準備が必要だ。ANAとかJALの場合、日本語でいいから、この点は楽だが、先に述べたように今回は使えない。

スキャナーでサインをもらった書類をファイルにして送る。MEDIFの現物は当日航空カウンターに持参することになっている。出発の2週間前に送ったのだが、「審査する」という返事が来たまま時が経ってしまった。酸素がないと飛行機に乗れないのだから、こちらは、やきもきすることしきりだ。出発の3日前になってやっと確認のEmailが来た。やれやれこれで出発できる。この確認が出来るまで、なかなか準備が進まない。あわてて出発の準備だ。

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コメント 2

ゆき

初めまして。
92歳の義母がアメリカの友人に会いに行きたいとの願いをかなえてあげたくて酸素のことを調べていてこちらに辿りつきました。
いろいろ勉強になります。
POCが入手出来れば良いのですが。
これからもお邪魔します。宜しくお願い致します。
by ゆき (2015-05-17 15:42) 

kodomo

ご訪問ありがとうございます。「POCを使う」で書いたように、外国製のPOCも保険適用になりましたので、酸素会社と交渉すれば、POCを用意してもらえるのではないかと思います。アメリカまでは電池が大変ですから、機内ではANAなどの酸素ボンベサービスを使うと良いでしょう。
by kodomo (2015-05-25 23:29) 

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