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インフルエンザの予防 [療養]

インフルエンザがかなり流行ってきた。間質性肺炎患者にとっては大きな脅威だ。出かけるときにマスクは必須になるし、熱のある人には近づけない。うがいも欠かさないが、特に大切なのは手洗いだと言うことは覚えておこう。感染経路としては、飛沫感染よりもドアノブや器具などに付着したウイルスを手につけて、それで物を食べたり、目をこすったりすることが多いそうだ。

インフルエンザと言えば、予防接種が一番重要だと思っている人もいるが、予防接種に頼るのは間違いである。予防接種が効くならば、免疫ができてしまい、毎年インフルエンザが流行るなどと言うことはないはずだ。だから効く効かないの論争は古くからあった。

有名なのは前橋市の医師会が行った疫学調査である。1984年頃のまだ学校で子ども達に一斉接種をしていた時のことだが、桐生、高崎、安中などの前橋近郊の町は、副作用問題で、児童に接種する地区としない地区に分かれた。その結果、大規模な疫学調査ができてしまい、効く効かないの論争に決着がついた。接種の有無による罹患率の違いが認められないことが明らかになったのだ。それ以来、厚労省も学校での一律接種を取りやめることになった。もっとも、国にとっては経費節約のほうが主だったかもしれない。

抗原抗体の原理から言えばなぜ効かないかというのも不思議なのだが、データをつぶさに見ると、有意の差があり、やはり予防接種の効果があったことは認められる。この疫学データで全く効かないというのも間違いだろう。ただ、効果があるとしても、わずかであり、予防接種をしておけば罹らないというものでないことは確かだ。数値的には、予防接種をした子供の47%がインフルエンザになり、しなかった子の55%がインフルエンザになったといった程度のものだ。最近では「効く」と言わず「重症化を防ぐ」という表現が使われるようになってきている。

予防接種は体内にインフルエンザウイルスに対する抗体の雛形を作る。この雛形を使って、実際にウイルスが入ってきたときに抗体を増殖させて対抗する。インフルエンザの場合、潜伏期間が短く、抗体が増殖する前に発症してしまうから、発症を防ぐことにはあまり有効ではない。しかし、インフルエンザが長引いて重症化するのを防ぐのには十分間に合うのだ。最近では、タミフルのような抗インフルエンザ薬も普及してきたので、手当てを受ければ重症化することもないので、一般的には予防接種は不要とも言える。

間質性肺炎を持っていたりすると、インフルエンザが急性増悪の引き金になったりするから、少しでも役に立つならやっておこうということになる。ところが、ステロイドを使っている人は、免疫力が低下しているから、インフルエンザの予防接種をしてはいけないなどと言う話もある。これは間違いだろう。生ワクチンは、ウイルスを弱めて接種するから、抵抗力の無い人に摂取するとウイルスを繁殖させてしまう。BCG、麻疹・風疹混合[MR]、みずぼうそう、おたふくかぜワクチンなどがそれだ。しかし、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンつまり、ウイルスそのものではなく、ウイルスが作る毒性物質を中和して接種するのだから抵抗力がなくとも発症したりしない。10mg/dayのステロイドを処方されている僕も、お医者さんにも同意してもらって、予防接種をした。

だからといって少しも安心はできないのは前述の通りだ。予防接種は効かないと考えておいたほうが良い。

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コメント 2

マルン

初めてコメントを書かせて頂きます。
私も最初病院に恵まれず苦労しました。
今の病院に転院してから、私の場合は急性間質性肺炎と診断されパルス療法をうけました。
今は入院1ヶ月目でステロイドは30ミリ服用しついます。先生の話によるとあと1ヶ月で退院出来るとのことです。
ここも一時期おさまったインフルエンザがまた流行だしています。
お互い気をつけましょうね。
by マルン (2016-03-08 18:58) 

おら

用心はしていたのですが、A型インフルエンザです。回復にえらく時間がかかりました。
by おら (2016-03-13 11:21) 

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