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僕たちは明るく元気なガン夫婦 [療養]

2014年時点で、僕は間質性肺炎を患って7年白血病(CML)を患って4年になる。かなり珍しい病気で、宝くじに当たったようなものだ。間質性肺炎に治療法はないのだが、僕は幸いにしてステロイドによる抑制が効いている。白血病というのも昔から有名な絶望的な病気の代表なのだが、今ではかなり医学が進歩した。白血病の中でもCMLの場合、薬でかなり確実に進行を止められる。しかし、不治の病ではあるから長生きは期待できない。

まだ現役だったから、入院中はもとより、いろいろと連れ合いの負担が増えた。酸素ボンベを持ち歩く、夫の介護を妻が引き受けるというパターンになったわけだ。仕事の手伝いをしてもらうことにもなった。老い先長くないのだからと協力依頼を持ちかけたら、「とことん付き合ってあげるよ」ということだった。以来、こちらも甘えて、なんでも付き合ってもらっていた。定年退職するまで仕事を続けられたのも彼女に助けられてのことだ。

付き合ってくれというのは、別にあんたも病気になってくれという意味ではない。ところが、それが本当になり、先日、今度は連れ合いが多発性骨髄腫(MM)と診断されてしまった。そこまで付き合うこともないのに、僕たちは夫婦で血液内科にお世話になるという世にも珍しいカップルとなってしまったのだ。どこまで仲良しなんだと笑われている。

多発性骨髄腫の方は、いまだに治療薬がなく、新薬もせいぜい延命効果がある程度だから厳しい。良い薬が出来たとしても、骨髄の中だから、簡単には届かないという問題もある。幸いなことは、まだ初期段階なので自覚症状が出ていないということだが、やはり長生きは期待できない。これでどちらが長生きできるかは、いい勝負になってきた。

二人共、血液ガンだから、いわば最初から全身に転移している重篤なガンだ。絶望的な病気ではあるが、家の中が暗くなってしまっているかと言えばそうでもない。不治の病にかかることは実はたいしたことではないのだ。どっちみち人間には寿命がある。全ての人間に余命100年以下は最初から宣告されている。それが70年になったところで、単に数字が変わっただけのことだ。僕らはすでに60年生きているから余命5年といってさえトータルでは結構長い。

病気にならなくても、年をとれば活動力は相当弱まる。頭だってぼけてくる。ただ生きておればよいものではない。よしそれなら、これから5年で、自覚症状が出て、寝込んでしまうと考え、早めに動こう。そう考える事にした。言えることは、早い目に楽しいことはやっておこうよ、と言うことだ。 だから僕らは「明るく元気なガン夫婦」だと宣言しておこう。酸素ボンベを抱えて、大量の薬を持っても、あちこち出かけよう。死ぬまでに、やりたいだけの事をしておこう。体調不良は気力で吹き飛ばすのだ。

しかし、「死ぬまでに何をやりたいか?」というのはなかなか難しい問題だ。 僕の場合、あちこち旅行して世界を知りたい。 考えたことをまとめて本にしておきたい。 なんてことだろうか? 配偶者に聞いてみたら「生涯を主婦と言う名のボランティア」などと嘯いていた。「死ぬまでに」などと言うと話が大きくなって考え込んでしまう。「今月何をやりたいか」「今年は何をしたいのか」ということを積み重ねればいいのだと思う。

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