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節分-----病気は外! [日常日記]

「福はうち、鬼は外」。なんという正直な叫びだろう。世の中には鬼もいるし福もある。もはやこの現実からは逃れられないが、できることなら選別して家の中は福であってほしいというのが利己的な庶民の願いだ。

今年の豆まきには力が入ってしまった。連れ合いの抗がん剤治療が始まり、僕は難聴や緑内障といった不具合が始まり、人生の終末が見えてきた。ここは運、不運の一つの分かれ目だろう。叫びに付け足しをした。「病気は外!!」心底からの願いだ。

節分というのは一年を24節気に分けた「節」の分かれ目と言うことだが、立春の前の日を指す。一年は、春夏秋冬の4つの季節があり、立冬から冬になり、冬の最中が冬至、最後が節分で翌日の立春から春が始まるということになっている。これは暦法上あるいは天体運行上のことで、実際の季節とはかなりずれる。

節目に未来を願うのは自然な発想だ。節分の行事はいろんな連想から庶民が作り上げていった。豆まきが一番普及しているし、年の数だけ豆を食べるとか。4つ辻まで行って豆を置いて振り向かずに帰ってくるとか、イワシの頭と巻き寿司を食べるとか地域によってバリエーションも多い。

近年、一番盛んなのが「恵方巻」といって、北北西を向いて巻きずしを食べるというのものである。古くから関西で行われていたというのだが、1975年まで関西にいた僕にそんな記憶はない。下町の教員をしていた配偶者は、「まるかぶり」の話をしていた子供の事を覚えているという。

どうも、大阪の花街で、ざれごととして巻きずしの丸かぶりというのをやっていたらしい。それが下町で広がった。しかし、1970年代には大阪でも一般的なものではなかった。「恵方巻」という言葉についての記録はどこにもないそうだ。

関東で「恵方巻」を知ったのはごく最近の事だ。調べて見ると1989年にセブンイレブンが巻きずしを全国販売するキャンペーンを張って、このとき「恵方巻」と名付けたらしい。「関西で古くからおこなわれている」というのは、このとき持ち出した理由づけに過ぎない。

バレンタインにチョコレートなどと同じく、商業宣伝が生み出した新たな都市伝説なのである。高層マンションの窓から豆まきというわけには行かないから、豆まきよりも恵方巻が盛んになるのかもしれないが、しかし、やっぱり節分は、豆まきであってほしい。

鬼は外! 福は内! 病気は外! ガンなんか消えちまえ! 間質性肺炎なんか消えちまえ!
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