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外洋フェリーで車ごと移動する旅(2) [四国旅行]

九州四国を車で巡るという壮大な計画を立ててみたが、結局縮小して四国だけを巡ることにした。検査結果は思わしくないのだが、不思議と体調は良い。この旅行の徳島まではフェリーだ。日本のフェリーが寂れていることを書いたが、東京から徳島のフェリーは、新造船が就航したばかりで、気持ちよく乗れることを期待して申し込んだ。当日になって、シケで船足が遅く、3時間ほども到着が遅れそうだという「親切な」電話が入った。やはり乗客は少なそうだ。

夜出て、到着は翌日の夕方なのだけれども、船内に食堂はない。食料持参で乗船する。酸素ボンベ3本、酸素濃縮機、呼吸器、それに途中でピクニックすることも考えて、テーブルや椅子まで積み込んだ。車だから荷物はいくらでも積める。これがフェリーの良いところだ。新造船は「シンプルフェリー」と銘打って、2等船室しかない構成だが、体が不自由だと言えばバリアフリールームを用意してくれる。ベッドがある2人部屋なのだが、特に費用はかからない。隣にバストイレもある。

船内は、広くゆったりとしていて静かだし、落ち着いた雰囲気だ。定員148名だそうだが、乗客はざっと数えて30人。トラック輸送に使われているのだが、どうも運転手は乗らずトラックだけを運ぶようだ。だから乗客は乗用車の人達ばかりだ。自転車で乗る若者もいるが、どちらかというと年配者が多い。ロビーには色んな自動販売機が並んでいて食堂の替わりになる。電子レンジがあり、お茶や調味料などはサービスされるから不自由はない。

シケで揺れることを覚悟していたのだが、それほどでもなかった。寝ていたからわからなかったのかも知れない。夜が明けて紀伊水道を通ってからは、波静かなものだった。暇な時間が長いのだが、たまにはこうして、のんびり過ごすのも悪くない。

陸地からそう遠くないところを航行するので、ネットはつながることが多い。窓際でコーヒーを飲みながらパソコンを開いてこうした文章を書いたりした。のんびりと過ごせるから高速道路をひた走るよりも、はるかに楽だ。

電話での申し込み受付は平日の午後3時までしか開いていないという交通機関として考えられないような古い体質を残したままだということで驚いたのだが、フェリーの旅は、効率とか急ぎとかを超越していると理解すべきだ。

徳島に着いたのは四時。鳴門の渦潮とか大塚国際美術館の予定には時間が遅すぎた。鳴門海月と言うホテルに直行した。二人で11,000円の安い部屋に泊まったのだが、ぬるい目の温泉が良かった。サービスの点では、いまいちではあった。

連休明けのオフシーズンではあったが、人出は少なく、鳴門の渦潮も、観光の目玉としては人気もたいしたものではないように思えた。渦潮の規模も、そう大きなものではなく、陸から見れば、ただの白い波でしかない。遊覧船にのって近くで見ると、なるほど渦だとわかる。四国本土連絡橋が出来てからは、橋の上からも見えるようになったので、ことさら船で観るひとも少なくなったのではないだろうか。

実はその昔、自転車で来て、フェリーからこの渦を見たことがある。僕も元気だったわけだ。
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とこ爺

カーフェリーで四国旅行。おらさんはすごいですね。船中での様子、よくわかり参考になります。連れ合いも大塚国際美術館にいきたがっています。「娘を誘って格安ツアーで行こうか」などと言っていますが、飛行機でトンボ帰りのようです。おらさんの旅がうらやましいです。ところで、「酸素ボンベ3本、酸素濃縮機、呼吸器」の呼吸器はどんな器具をさしているのですか。教えてください。
by とこ爺 (2016-05-14 08:22) 

おら

NPPV(人工呼吸器)は、呼吸に合わせて空気を肺に送り込む装置です。自力で呼吸が難しい人が使うのですが、私は睡眠時無呼吸症候群も抱えているので、睡眠中に時々呼吸が止まるのを防ぐために使っています。寝るときは酸素発生器を呼吸器につないで、酸素を送り込むようにします。こんなものです。
http://www.fukuda.co.jp/medical/products/inhome_medical/velia.html
by おら (2016-05-16 22:29) 

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