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おもちゃのピアノ [日常生活]

「ピアノが鳴らなくなっちゃった」。赤い小さなおもちゃのピアノなのだが、河合楽器が作ったもので、一応なかなかきれいな音がでる。お姉ちゃんに買ってやったものだから、もう6、7年経っている。鍵盤を叩いてもコトコト音がするだけだ。

預かって持って帰り、中を開けて見た。アルミのパイプが何本も並べてあり、これが音を出す仕掛けだ。アルミのパイプが丸ではなくかなり扁平な楕円断面になっているのが、河合の工夫なのかもしれない。

鍵盤を叩けばこのパイプを叩くことになるのだが、ここも少し工夫がある。槌がばねについており、鍵盤はこのバネを叩く仕掛けになっている。太鼓でも鼓でも、実は叩くのが難しい。勢い良く弾いて、さっと離さなければうまく鳴らない。ピアノの場合、ただ鍵盤を押すだけで音がでる。このバネを介して叩くというのがそのための仕掛けなのだ。

なぜ、コトコト音がしたかと言うと、鍵盤を押してもとに戻るときに底壁を叩くからだ。ここにはスポンジが置いてあって、軟着陸させるようになっていたのだが、スポンジがボロボロになってしまっていた。これは、スポンジテープを買ってきて付け替えれば良い。

アルミのパイプが音を出すためには、自由な震動ができる、空中に浮いているような状態が必要だ。アルミのパイプは、やはり、スポンジテープの上に置いてあったのだが、ここのスポンジもボロボロで、そのためうまく音が出なかったわけだ。これも取り替えればよい。

問題は、アルミパイプの固定だ。スポンジの上に置いただけでは、少し動かしただけで、バラバラになってしまう。並べたアルミパイプは薄い粘着テープで連結されており、これが自由な震動を許しながらパイプの位置を固定する仕掛けになっていた。粘着テープだけで止めてあるのだから驚く。2,3、年持てばよいおもちゃならではの発想だ。薄くて柔らかく、それでいてある程度の強度がある特殊なテープだろう。

これは困った。台のスポンジを修理するためにテープは外してしまった。替わりに、普通のセロテープを細く切って使おうかとも考えたのだが、固定位置が、ぎゅううと曲がった配置になっていることに気がついた。震動の節になっているところを選んで貼らなければならないのだ。セロテープではそのような柔らかさはない。

糸を使って、固定することにした。弓なりに糸を張って、瞬間接着剤で点止めしていく。接着位置は震動の節だし、点付けだから、そう震動の妨げにはならないだろう。しかし、耐久性にはかなりの不安がある。ひっくり返しただけでもバラバラにならないかと思う。もともと玩具なのだから、大きくなってまで使わない。そんなに耐久性が必要なものではないということではあるが、よくこんなものを商品として売るものだと感心してしまう。

玩具でも、なかなか工夫がしてあるものだと、改めて思った。可愛い音で、楽しんでくれたら修理に費やした一日の価値がある。結果は、まあこんなものかと思う程度だ。響きの良い音もあるのだが、一部の音は響きが悪い。最初からコこうだったのかもしれない。
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