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韓国旅行(4) ---- 国立博物館 [韓国旅行]

4日間の旅行の最終日。フライトは夕方なのでホテルをチェックアウトして市内観光することにしたが、多くは行けない。酸素発生器の電池を機内での使用のために残しておかねば成らないからだ。国立中央博物館に行くことにした。これは、なかなかすごい建物で、二つのビルの間に屋根を渡してあるのだが、間が広く屋根が高い。新しく内装も豪華で、昨今の韓国の経済発展を象徴する建物のように思われる。周りの敷地も広大だから駅からかなり歩かねばならない。

一階展示は、時代ごとに区切ってあるが、現代に近いところは省略が多い。独立記念館とか他の博物館がテーマとして扱っているからだろう。中国ほど古くはなく、まあ、日本と大差ない。というよりも、古代は日本と同じようなものだ。高句麗と新羅の争いなんかが、細かく述べられていて、あちらが優勢になったり、こちらが優勢になったりする戦いの歴史が解説されている。日本で有名な任那はどこにも出てこないようだ。任那は何も物証がないことは確かだ。

面白いのはハングルの開発で、ハングルは1444年に世宗王が命じて作らせた文字だ。音韻学的に考えられており、音を表す体系がある。ちょっとエスペラントのような考え方だ。しかし、当時の知識階級には受け入れられず、後代では使用禁止されたこともある。日本の仮名と同じように女性や下層に広まっていった。政府の公認文字としてはむしろ使われなかった時代が長い。実際にハングルが多用されるようになったのは、20世紀に入ってからである。現在では漢字を駆逐するほど圧倒的に使われている。

もう一つ興味深かったのは古朝鮮の地図で、これには日本が東ではなく南に伸びているようになっている。暖流に囲まれている日本は、気候が温暖でどこでも稲作ができたことから、暖かい所というイメージが強かったのではないだろうか?邪馬台国論争で、方角と距離のどちらを優先するかに意見が分かれているが、この地図は距離優先を支持していることになる。

二階展示は芸術品で、いろんなジャンルの作家のものが置いてあるのだが、目を引くのは朝鮮白磁・青磁だ。見事な肌合いが美しい。仏像も多いが少し優美さに欠ける気がする。あまり、見ているわけでもないので断言するわけにはいかないが、日本の物は細い指が女性的なのだが韓国の仏像は手がしっかりしたごつい出来になっているような気がする。

書画や民芸品などもあるのだが、系統的な展示ではないので来歴などがわからず、僕としてはもう一つ感銘を受けるものがなかった。休憩コーナーでこっそりPOCの充電をしてみたが、なかなかフルには貯まらない。早い目に引き上げたのだが、ホテルに帰るまでに放電してしまい、地下街のレストランに飛び込んで食べながら充電させてもらった。日本食店で、きつねうどんなんかを頼んだ。韓国式のきつねうどんは揚げが細切れで、なぜか沢庵がついて出てくる。

ホテルに帰り、僕はロビーで居眠りしながら充電。連れ合いは、地下街のスーパー、百貨店に買い物に行った。3時40分がツアーの集合時間だが参加者は我々だけ、ガイドさんが来て空港まで車でつれて行ってくれる。カウンターで手続きをして、ゲートに送り出すまでが仕事のようだ。JTBのツアーは丁寧ではある。しかし、POCの話を勝手にやってくれて混乱し、直接英語でやったらすぐに話は通じたという一幕もあった。

空港での待ち時間にまた充電したおかげで、電池は長持ちして、予備電池に切り替えずにいたのだが、丁度成田に着いて自分の車にたどり着いたときに無くなった。博物館でさんざ動いたおかげで、初めて腰につけた万歩計が1日1万歩を超えた。無事帰還。
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--------------------追記-------------------------------
『混一彊理歴代国都之図』は、明の建文四年(1402)に、朝鮮で作成されたものだが、原本は残っておらず、加藤清正が持ち帰った写本が日本にあり、龍谷大学が保有している。韓国国立中央博物館の展示はこの写真複写だった。この中の日本の部分は「行基図」を元にしているといわれ、必ずしも古い時代の地形認識を示しているものではない。しかし、違和感無く日本を南に伸びる列島としたことは、当時の認識として、日本は温暖な国であるとの印象が強かった事が伺える。緯度はあまり変わらなくても気候がかなり違うことは、やはり大きなインパクトを持っていたことは疑いない。それが一般的な地形理解に影響を与えたはずだ。

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