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慢性骨髄性白血病(CML)の発症経過 [療養]

wbc.jpg間質性肺炎を経験して以来、定期的に血液検査をしてもらうことにしている。炎症反応や血糖値、γーGTPなど注意すべき項目が沢山ある。大体において白血球は多めで8000から9000なのだが、2009年の初めから、一万を越えることが多くなった。CRPが高いときには1万を越えることは前にもよくあったので、あまり気にはしなかったのだが、徐々に上がって行くのが明らかで気持ちは良くなかった。

3月になると恒常的に1万を越えるようになった。そして4月始め、コメント欄に「immatured gran」という言葉を見出した。異型の血球が含まれているということで、まあ、ステロイドの影響でしょうということだった。このコメントは一時消えたりもしたが、5月になると恒常的についてくるようになった。呼吸器の先生にはよくわからないようだったが、精密な観察を外注で依頼してもらった。結果は2%の骨髄球(myelocyte)が含まれていると言うことだった。

芽球は見られないから、急性白血病ではないように思えたし、ステロイドの副作用かもしれない。しかし、ステロイドの副作用なら今頃になって出てくるのもおかしい。先生は気が進まないようだったが、お願いして血液内科への紹介状を書いてもらった。6月のことである。予約が取れて血液内科に行ったのは7月始めだったがここでもステロイドの副作用といわれた。過去の検査結果を調べてみると1年以上前にもmyelocyteが出ている結果もあり、其のときは一過性でその後消えている。白血球はじわじわと増え、13000になっていた。myelocyteも3.5%に増えた。

私が納得しないので、念のためにということで、フィッシュ検査をやってくれることになった。ゆっくりした変化からも急性でないことは確かだ。結果は3週間後ということで7月末になった。見事にフィラデルフィア遺伝子が検出された。治療開始前にマルクをやりたいといわれ、結局治療が始まったのは8月の始めになった。イマチニブ治療はグリペック4錠となった。白血球は14000にまで上がっていた。幸いに、少し吐き気がするだけで大きな副作用は現われなかった。

一週間後、wbc=13100、二週間目wbc=12600三週間後wbc=8000、四週間後wbc=8000 とたちまち変化が見え出した。イマチニブで逆に白血球数が落ち込むことが多いそうだが、私の場合は落ち込みは大きくはない。36%を占めていた抹消血のmylocyteは三週間後には消えた。さて今後どのようになるだろうか。

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一年後
イマチニブの効き目はすごい。遺伝子分析でも2ヵ月後に58ug,4ヵ月後には1ug、そして5ヵ月後にはbcr-abl遺伝子は定性もマイナスになった。検査の上では白血病は消えてしまっているが、見えないだけで、実際には残っているので「完治」ではない。白血病に完治はなく、またがん細胞が勢いを盛り返すことが十分ありうるというから悩ましい。この状態には「寛解」という言葉が使われている。いまも毎日4錠のグリペックを飲みつづけているから医療費負担はそれなりに大きい。色白になり、少しむくみがある。吐き気などはなれたせいかあまり感じないようになった。

一年半
相変わらずグリペックを飲み続ける毎日が続いている。思わず重篤な病気であることを忘れてしまいそうな日々だが命がけだから薬だけは忘れない。

二年後
どのように検査してもガン性白血球は見られなくなっている。「グリペックを停止して見る」と言う治験プログラムに参加するかどうかということになった。断薬しても、白血球が増殖しない可能性が50%位あるようだ。しかし、もちろん完治ではない。体力が落ちれば再発するのだとしたら、もっと続けて、なるべくガン性の白血球は減らしたほうが良い。

四年後
白血病に完治はない。検査で全くbcr-abl遺伝子がなくなったように見えても、おそらく10万個くらいの白血病白血球が残っている。ここでグリペックをやめれば、また増殖し始める。理屈の上ではそうなのだが、実際にはグリペックを止めても増殖しないという人がいる。この謎を解くために、わざとグリペックを止めてみる治験研究が行われた。しかし、いまだに謎は解けない。グリペックを止めても再発しない確率が1/3位であることだけは、はっきりした。

将来、グリペックを飲み続けるだけの体調が確保できるとは限らない。 皮膚が異常に弱くなり、耳や目に炎症が起こってきているのはグリペックの副作用かもしれない。他の病気があるから治験には参加できないのだが、一度グリペックを止めて見ることにした。1ヵ月毎の検査は欠かせない。がん細胞が見えたら直ちに服薬を再開する予定だ。

断薬2ヶ月
残念ながら、2ヶ月でBCR-ABL遺伝子が検出されてしまった。末梢血に骨髄球も現われた。薬をタシグナに変えて投薬再開。タシグナはグリペックよりも選択性が高い改良版だから、さらに副作用が少ないことが期待できる。今のところ重篤な副作用は見られないが血圧が高くなっている。体調的には思わしくない。尿閉で救急車に乗る羽目にもなったが、これはタシグナとは関係なさそうだ。

復薬1ヶ月
PCR定性検査で陽性となってすぐにタシグナで復薬したのだが、骨髄球が現われるところまで異常白血球が増加した。一ヶ月後の検査でも68μgのPCR結果となってしまった。

復薬2ヶ月半
やっとBCR-ABL遺伝子が見えなくなった。タシグナを飲み続けるしかない。でも何とかCMRを回復できてよかった。タシグナは12時間毎に飲み、しかも前2時間、後1時間は食事ができない。なかなか服薬管理が大変である。

復薬半年
タシグナに変えて、極端な皮膚の弱さはなくなり、あちこち傷だらけというのは無くなった。しかし、タシグナには血糖値の上昇という副作用がある。酸素ボンベを持つ身では運動というわけにも行かないので、糖尿病の薬を飲まなければならない。この薬で強烈な「めまい」の症状が現れてしまった。副作用とは気づかず、「めまい」の薬を飲むと、今度は排尿困難に陥った。リウマチ性の筋痛症と重なり、身動きならない状態が続いた。結局、血糖値の薬を停止して体調は回復したが、血糖値のコントロールは、課題として残ったままだ。

復薬一年半
血糖値を抑える薬には2種類ある。インシュリンの分泌をうながすものと、インシュリンの効きを良くするものだ。糖尿病の場合は両方処方されることが多い。めまいの原因になったのは後者の薬だ。タシグナが原因の高血糖は食後など血糖値が上がったときに速やかなインシュリンの分泌が起こらないことで起こる。最近は血糖値が上がった時にだけ自動的にインシュリン分泌を促す薬が出来ている。ジャヌビアを処方してもらったら、NbA1Cが6.5位で落ち着くようになった。まだ高いのではあるが、7以下だと合併症などは出ずにすむようだ。
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