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医療費が増えて行くのは当たり前 [療養]

間質性肺炎+白血病+多発性骨髄腫。夫婦で病院通いが続くと医療費はかさむ。高額医療費制度で頭打ちになってくれるのは大いに助かる。もし、あのままアメリカで暮らしていたら今頃確実に破産していただろう。高額医療費制度は実にありがたいものだ。

しかし、これは僕の負担が減っただけで、国全体の医療費負担が下がるわけではない。2015年段階で42兆円、数年で54兆円になると試算されている。国は一生懸命医療費の抑制策を検討している。高額医療費の限度額も増えた。この先制度自体を「改革」しようとしているという。とんでもないことだ。

病気にならないように、予防に力を入れるというのが最近のアプローチで、これはこれで正しいのだが、医療費の削減に役立つと言うのは本質的におかしい。健康に気をつけて体を丈夫にしたところで、結局人間は死ぬのだから生涯にかかる医療費が減ることはない。人生50年が100年になれば当然、風邪薬は2倍必要だ。長生きすれば、それだけ医療費は増えるのである。

高度な治療で今まで助からなかった病気を克服できるようになった。これは素晴らしいことだ。これに医療費がかかるのは仕方がない。しかし、それだけではない。その時は生き延びて、もう一度重篤な病気になって、さらに医療費を使って死ぬのだから医療費は二重に増えて行くのだ。

長生きすれば医療費は必ず増える。人類が豊かになり繁栄すると言う事と医療費が増えると言うことは一体なのである。医療費を抑制するなどと言うことは出来ない。人類の幸福を追求するならばもっと医療費が使えるようにするにはどうしたらいいかが考えるべきことなのだ。

江戸時代に国家予算に占める医療費の割合は微々たるものだった。税金の大部分は将軍や大名の「宮廷費」と侍に配分する「軍事費」だった。これを医療や福祉に振り向けて行ったのが社会の進歩だったのである。

今後も医療は進歩し、人間の寿命が延びて行く。それならば国の予算はどんどん医療に振り向けざるを得ない。遠い将来、国家予算の大部分が医療に振り向けられるようになるのは当然の事なのだ。

政治の役割は、医療費を抑制する事ではなく、どうやって医療費を捻出するかにある。軍事費を医療に回すためには外交を工夫しなければならない。土木工事などを合理化して医療にまわす。官僚の無駄遣いは真っ先に省いて医療に回す。もちろん医療費内部での無駄は省かねばならない。

医療費を抑制して何かに振り向けるなどといった発想は根本的にまちがっている。
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kiyoki2

頑張ってください。同じ病気の先輩と思って素晴らしいあなたの生き方を参考にしています。14年前に関節リウマチになり、6年前に間質性肺炎の兆候、そして一昨年には薬剤リュウマトレックスの副作用で肺ガンになり手術と放射線治療、昨年は娘の結婚で2月にラスベガスへ行ったけど電動車イス利用でした。体力のいる旅行でしたが無事に帰国してのんびりしていたかと思うと定期検診で肺炎、即入院、暫く生死の境を彷徨った後に2ヶ月入院し12月27日に無事退院、その後はデッキとUSA電動車イスのパーツ輸入組立で趣味を楽しみながら酸素吸入で遊んでます。しかし、医療費は6月まで3割負担でしたので大変でしたが、事業負債を増やして所得減額で1割負担となりました。先輩の奥さんも早く退院できるように心から応援しています。またよろしくお願いします。
by kiyoki2 (2017-09-02 15:40) 

おら

リウマチ、間質性肺炎、肺ガン。僕と同じ病歴です。僕の方はもう一つおまけに白血病があります。お互い負けずに頑張りましょう。「電動車イスのパーツ輸入組立」とは素晴らしい。技術屋の面目躍如といったところですね。
by おら (2017-09-03 14:08) 

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